ズミの花咲く頃に 

mito

2013年07月10日 21:30

湯川への釣行記録の続きです。





「また来年!ズミの花咲く頃に!!」

頻繁に湯川を訪れていた頃、釣りを終えた後に仲間と交わす別れの挨拶であり
再開を約束する言葉。

あれから7年、再び戦場ヶ原へと足を踏み入れる事になりました。
関西にいるとあまりなじみのない奥日光・湯川なので簡単にその魅力を紹介すると

標高1400mの高地を流れる穏やかな川。
その標高ゆえに麓が結構な雨であっても晴れている事が多い。

長崎のグラバー邸で有名なトーマス・グラバーによって放流された
川鱒(ブルックトラウト)が息づく川で倒木やバンクの陰で盛んに
シビアなライズをする姿が見られる。

湯川のさらなる大きな魅力は独特の植物層で、湿原を彩るさまざまな
植物が6月~8月に一斉に花をつける。

その代表格。初夏の湯川といえば一面に咲くワタスゲ。
男体山をバックに大きく広がる湿原全体がこの時期まっしろなワタスゲで一杯になる


<湿原に咲くワタスゲ>



他にもTOP画像にした初夏に咲く桜。「ズミ」。
その白い花は桜の花びらそっくりで川べりで釣っていると
風に舞うズミの花にうっとりと見入ってしまう。

ピンクの花をつけるホザキシモツケやオレンジが美しいレンゲツツジなど
釣りをしているすぐ傍らでたくさんの美しい植物を目にする事ができる。


話を釣りに戻そう。

この日もいつもの様に丸沼からエントリー。
早朝の駐車場で釣りの準備を始めると初夏の名物
戦場ヶ原の林の奥からカッコウの鳴く声が聞こえる。

湯川は川に沿って木道が通っており、湿原に極力インパクトを
与えない事が釣人に求められている。



木漏れ日の気持ち良い木道を歩いていくと所々に川へのエントリーが見つかる。

倒木が沈んでいたり、川の端に立ち枯れがあったりと魚のつくポイントは多い、

この日も倒木のまわりを小さくクルージングするいいサイズのブルックに
さんざんてこずらされた。

#26のグリフィスナット・ハックルカットで出すもフッキングに至らず洗礼を受ける



<ライズポイント。奥の白いのはズミの木>


さらに木道を詰め青木橋付近でようやく1匹と出会う。


この日はどちらかというとスローで皆苦戦している様子だった。

とはいえ、釣りばかりしている訳でない。
7年ぶりに湯川を訪れるという事で古い友人がたくさん集まってくれた。


<いつもお世話になる湯川の番人。敬愛するmorioさん>


<親友Sugiさん>

ほかにもPNさんやKさん、そして新しくしりあった友人たちとテラス(青木橋べりにある
ベンチ)で丸沼茶屋さんから提供頂いたチーズケーキを食べたり久しぶりの邂逅を
深めあったりとあまり釣りに専心しなかったせいもある。



午後になって上流へは向かわず丸沼方面へ戻る。

すばらしい景色の場所があって、そこでのんびり釣ることにした。


<レンゲツツジとズミ、倒木のコントラストが綺麗>

気温の上昇と共にすこしハッチが上向いたのか数匹をキャッチする事ができた。






この川は僕の心の川。 たくさんの魚はいらない。

ゆったりとしたループで、仲間と笑い合ってする釣り。

死ぬ前最後に釣る川は日光・湯川に決めている。


「また逢いましょう! 来年、ズミの花の咲く頃に!!」



僕は湯川の虜だ。






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