意外に町の中でも見ることの多い、青い小さな花。 ツユクサ。
この写真は天川村の源流部に群生していた場所で撮影しました。
個人的には大好きな花で、以前から識別できる野草の1つでした。
ツユクサとの出会いは「万葉集」を読んでいた時で、「つきくさ」というのに目が留まり
本で調べてみたところ、なんとも儚げでキレイな青い花が印象的でした。
それから随分経った後、徳富蘆花のおもしろ(?)エッセイ
「みみずの真似して土ほじくり(=農業)してる間にいろいろ考えついた戯れ事を
かき集めたるものなり」という農業文学の名著『みみずのたは(わ)ごと』を読んでいた時に
つゆ草を花と思うは誤りである。
花では無い、あれは色に出た露の精である。
という一文に出会い、そのあまりに美しい詩的表現に深く感銘を受け心に残る花となりました。
あれは色に出た露の精である・・・・
うつくしいものをうつくしく表現するナントモいえない天才だなぁ。。。。
余談ですが・・・
そんな徳富蘆花は一見とっつきにくい作家に思えるのですが『みみずのたはごと』には
「齢40にしてはじめてしっかり大地に立てた最初の記録です。てへっ。」といってみたり
「彼の百姓は趣味の百姓で、生活の百姓では無い美的百姓なのだ!」といってみたりと
当時のお堅い農村社会の中でやばい位のおちゃめさんぶりを発揮しております^^
そもそも雅号を清少納言が見所もない・・・といった蘆の花(すすきみたいな奴)を
だが、それがいい。 by花の慶次 と名前にしてしまう人ですからねぇ(笑)
機会と時間があれば一読されるのも一興かとおもいます~♪
さて、話をツユクサに戻しまして・・・
ツユクサには白花があるらしく、僕の今のたのしみはその白花に出会うこと。
青と白の混合で咲く群生はさぞやキレイなんでしょうねぇ~
野辺によくあるのでとかく軽くみられがちなツユクサですが、
その魅力が少しでも伝わったええなと思いつらつらと書いてしまいました。。。。
万葉の頃より変わらず咲き続けるツユクサ。
wikiによると万葉集には9首の和歌が残されているそうです。
最後に僕がツユクサ(つきくさ)に出会った和歌を載せて〆とさせていただきます。
つき草に衣(ころも)色どりすらめどもうつろふ色と言うが苦しさ
(意訳)
あなた色に染まったけれど、周囲からは
それ(相手の男)はつきくさの色の様に「さめやすいものだよ」と言われて、
そこはかとなくつらく切ない思いがしています。
あぁ・・・・・ いにしえの恋のかほりが・・・・・・(笑)
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